不動産情報流通IT化の覚書

元宅建士・元プログラマが不動産ITについて語るブログ

不動産物件情報流通の現状おさらい(3)業者間流通

ブログ、別アカウントに移転しました。お手数をおかけして申し訳ありません。

reps.hatenablog.jp

 

 

 

 今回は、業者間流通の流れを見ていきます。

 物件情報は、ご存知の通り、不動産会社からお客さんへという流れだけではなく、業者同士で横に情報を流し合い「これこれこういう物件で入居者募集中です。お客さんご紹介ください」と業者間での物件情報のやり取りがあります。

 2015年の今、主に以下のパターンです。

 

1「業法サイト」指定流通機構レインズ

 初めに触れた宅建業法で定められている流通システム。 化石みたいなサイトだが、売買でかつ取引態様が専任・専属専任の場合は、法律上登録することが義務付けられている。利用者のことを考えていない造りの上に、文字情報を含む図面書類をTiff形式かJpegの形式でしか登録できない糞仕様。

 賃貸ではほぼ誰もまともに使っていない印象。問い合わせも業者からあまりこない。

 

2.マイソク(ファクトシート)図面頒布

 株式会社マイソクアットホーム株式会社のサービス。営業マンが個別に加盟不動産会社を回って、業者間で物件の図面を頒布する。一番単価は高いが、楽。

 

3.電話とFAXとメール

 電話で、「これこれこういう物件ありましたらFAXください」、「アットホームで見たこれこれの物件ありますか、図面FAXください」という昔ながらの方法。または、一方的なFAXやメールのダイレクトメール送受信。

 確かに確実ではあるが、非効率な方法。特に繁忙期はこればかりでとてもじゃないけれど堪らない。

 

4.物件検索サイトの付加的サービス

 たとえばアットホーム(ATBB)。物件検索サイトへの掲載のため、インターネットの管理画面に登録した物件情報の業者間流通。不動産会社が登録した物件を、別の不動産会社が自社広告として取り込める、「インフォシート」図面を印刷してお客さんに紹介できる。スーモやホームズにも似たようなサービスがあるが、紙媒体の頒布を行うアットホームが一歩抜きん出ている印象。

 

5.その他

 新しい業者間流通のサービスも出てきているが、より多くの会社が参加しないと意味が無いので、閉じた業者間流通ネットワークがいくつ増えてもあまり意味が無い。

 

まとめ

 どれも、これ、という方法がなく、不動産会社は全部の方法に対応しなければならない。非効率な「ドブ板選挙」ならぬ「ドブ板営業」とあまり変わらない。

 今賃貸でもっとも一般的なのは、仲介会社等の営業マンが、一般向けの物件検索サイト(アットホーム)などを見て、元付け業者に空室確認の電話を入れ、最新の図面をFAXで取り寄せて、案内方法を確認する、というパターン。売買の場合は専任・専属の物件の登録が法的に義務付けられている関係上レインズの情報も確認する。